巷では、ハルマゲドンという言葉があちこちで聞かれるようになりました。特にトランプさんも使っているので気になるところですが、彼は第三次世界大戦のことをハルマゲドンと言っているようにも受け取れます。人々は恐怖に怯えるかもしれません。
まず、聖書の真理に至るには、同じテーマ上の聖句と聖句の比較によるという原則があります。
*1コリント2:13
この賜物について語るにも、わたしたちは人間の知恵が教える言葉を用いないで、御霊の教える言葉を用い、霊によって霊のことを解釈するのである。
*ヨハネ6:63
人を生かすものは霊であって、肉はなんの役にも立たない。わたしがあなたがたに話した言葉は霊であり、また命である。
常に何かを調べる時には、以上の学びの原則の上に立った上で、調べます。上記の聖句は霊的な読み方をするとわかると思います。
ハルマゲドンという言葉は聖書の最後書の黙示録にありますが、
*黙示録16:16
三つの霊は、ヘブル語でハルマゲドンという所に、王たちを召集した。
⚫️ハルマゲドンという言葉について。
このハルマゲドンという言葉は新約聖書に書かれているのでギリシャ語ですが、聖句は「ヘブル語でハルマゲドン」と言っていますので、コンコーダンスで調べると、ヘブル語で「メギドの丘」で出てきました。
メギドについては、旧約聖書にいくつか登場しますがいずれも血塗られた戦いの歴史があります。
ハルマゲドンという言葉は、旧約聖書では「メギド」です。
*士師記5:18-20
18 ゼブルンは命をすてて、死を恐れぬ民である。野の高い所におるナフタリもまたそうであった。
19 もろもろの王たちはきて戦った。その時カナンの王たちは、メギドの水のほとりのタアナクで戦った。彼らは一片の銀をも獲なかった。
20 もろもろの星は天より戦い、その軌道をはなれてシセラと戦った。
諸々の星が天から戦い、シセラと戦いました。この意味はこの戦いが天と地の戦いであるがわかります。
18節で、ゼブルンもナフタリもイスラエル、神の民です。
19節、「もろもろの王たちはきて戦った。その時カナンの王たち」シセラを含むカナンの王たちは神と神の民の敵です。
20節で、星が天から共に戦いましたが、当然神の民を援軍したのです。聖書で星は天使を意味します。
*黙示録1:20ーすなわち、七つの星は七つの教会の御使であり、
[エズレルの谷(メギド平原とも呼ばれる)でのイスラエル人とカナン人との間のこの戦いは、神が諸国民に対する裁きに介入することの象徴となり、また神が民を救出することの象徴となった(ヨエル書 3:12-16 参照)。その結果、黙示録では、善と悪の最後の戦いはハルマゲドンの戦いと呼ばれている(黙示録 16:12-16 参照)。
ハルマゲドン(「メギドの山」)という言葉の由来となったメギドは、エズレル平原の片側にあった。しかし、神が以前から指定していた山(タボル山)から、イスラエルは、その谷に集結すると神が言った軍勢に対して勝利を収めた。]-The Gift of Prophecy(The role of Ellen White in God's Remnant Church).
⚫️第一ステージ
聖書の中で、善と悪の戦いは天で始まりました。
なぜ、天で戦いが起きたのでしょうか。サタンには次ような目的がありました。
*イザヤ14:
12 黎明の子、明けの明星よ、あなたは天から落ちてしまった。もろもろの国を倒した者よ、あなたは切られて地に倒れてしまった。
13 あなたはさきに心のうちに言った、『わたしは天にのぼり、わたしの王座を高く神の星の上におき、北の果なる集会の山に座し、
14 雲のいただきにのぼり、いと高き者のようになろう』。
神の統治の打倒でした。素晴らしく優秀に創造されたルシファーは自分に自惚れて、神のようになろうとしたのです。
天での戦いの様子は黙示録12章に書かれています。
*黙示録12:7-9
さて、天では戦いが起った。ミカエルとその御使たちとが、龍と戦ったのである。龍もその使たちも応戦したが、勝てなかった。そして、もはや天には彼らのおる所がなくなった。この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たへびは、地に投げ落され、その使たちも、もろともに投げ落された。
キリストとその御使 VS. 悪魔サタンとその使いたち
の戦いです。これが地上に降りてきたのです。
*黙示録12:12
それゆえに、天とその中に住む者たちよ、大いに喜べ。しかし、地と海よ、おまえたちはわざわいである。悪魔が、自分の時が短いのを知り、激しい怒りをもって、おまえたちのところに下ってきたからである」。
⚫️第二ステージ
天での戦いは終わりましたが、悪魔(悪魔サタン)とその使いたちは、地上に降りてきました。
*黙示録12:17
龍は、女に対して怒りを発し、女の残りの子ら、すなわち、神の戒めを守り、イエスのあかしを持っている者たちに対して、戦いをいどむために、出て行った
龍(悪魔サタン)は女の残りの子らに戦いを挑みます。つまり神の民は迫害を受けます。
そしてこの意味は神の民と悪魔サタンの戦いです。最後の対立は、「悪と残りの民」の対立です。ですから、ハルマゲドンは核戦争でもなく、米国とウクライナの戦いでもありません。
ハルマゲドンの戦い(Battle)は、キリストとサタンの戦争(War)の一部分です。
これが私たちが聖書と現在の出来事を理解する方法です。
人々がハルマゲドンのことは話す時は、政治的意味合いで語ります。
しかし、聖書に書かれている通り、これは全宇宙の善と悪、すなわちキリストとサタンの大争闘なのです。
話はそれましたが、サタンの目的はなんでしょうか。支配者になることはわかりました。もう一つ重要なことがあります。
*マタイ4:8-9
次に悪魔は、イエスを非常に高い山に連れて行き、この世のすべての国々とその栄華とを見せて言った、「もしあなたが、ひれ伏してわたしを拝むなら、これらのものを皆あなたにあげましょう」。
厚かましくも、神の御子イエスに対してサタンは自分を崇拝することを要求しました。
これが彼の野望であり神の座を奪い最終目的なのです。
⚫️第3ステージ
これは黙示録16:16のハルマゲドンの戦いです。
黙示録16章のハルマゲドンは最終的悪の滅びではありません。最終的悪の滅びは、千年期の終わりです。それが第4ステージになります。
*黙示録16:12-16
12 第六の者が、その鉢を大ユウフラテ川に傾けた。すると、その水は、日の出る方から来る王たちに対し道を備えるために、かれてしまった。
13 また見ると、龍の口から、獣の口から、にせ預言者の口から、かえるのような三つの汚れた霊が出てきた。
14 これらは、しるしを行う悪霊の霊であって、全世界の王たちのところに行き、彼らを召集したが、それは、全能なる神の大いなる日に、戦いをするためであった。
15 (見よ、わたしは盗人のように来る。裸のままで歩かないように、また、裸の恥を見られないように、目をさまし着物を身に着けている者は、さいわいである。)
16 三つの霊は、ヘブル語でハルマゲドンという所に、王たちを召集した。
13節の「龍の口から、獣の口から、にせ預言者の口から、かえるのような三つの汚れた霊」とは、龍(異教徒心霊主義)、海の獣(ローマ・カトリック教会)、偽預言者(背教のプロテスタント教会)が、サタンの指揮のもとに連合します(黙13:11、12参照)。お分かりのように、国と国の戦いなどではありません。士師記古代の戦いも、善と悪の戦いでした。
16章は七つの災害の場面です。17節以降はますます災いが激しくなります。17節では、
『第七の者が、その鉢を空中に傾けた。すると、大きな声が聖所の中から、御座から出て、「事はすでに成った」と言った。』神は、神の民のために介入されます。
これは最終的な終わりのようですが、実は停戦です。それからキリストが再臨され、裁きを執行されます。善人の復活があり、彼らと共に天に上げられる神の印を押された人々は一瞬にして朽ちない体にされ、空中で主に出逢います。そのあとは・・・・
*2テサロニケ2:8(〜12)
その時になると、不法の者が現れる。この者を、主イエスは口の息をもって殺し、来臨の輝きによって滅ぼすであろう。
ということで、主イエスは生き残っている悪人たちをイエスの口の息で殺し、来臨の輝きで滅ぼされます。彼らには獣の刻印が押されていました。
地上には、誰もいなくなります。地上は荒れています。死屍累々としています。
⚫️第四ステージ
黙示録19章には、神の怒りの裁きの様子が描かれています。また悪人たちが滅ぼされ、鳥たちがその屍を喰らいます。
善人は天の住まい、すなわち新エルサレムの中に迎え入れられます。神の印を押された144000人は千年の間統治します(黙20:4)
サタンは千年の間地球に閉じ込められます。(黙20:1-3参照)それからしばらく解き放されます。サタンは荒れ果てた地上に、残され、誰も誘惑したり騙したりできません。千年の間、自分のやってきたことを思い知らせるために、神は彼をそこに閉じ込められたのです。
黙20:7ー8には、千年が終わりサタンが解放されます。5節にある通り、千年が終わると死んだ悪人たちも復活します。サタンは復活した夥しい数の悪人たちを招集し、再びキリストと戦おうとします。
9節で天から火が降ってきて、彼らは焼きつくされます。これが悪魔サタンとその使いたち、また悪人たちの永遠の滅びです。これでやっと宇宙は安全になりました。しかしながら、神は悪人を復活させられたのは、彼らの眼前に地上での彼らの悪を走馬灯のように見せられ、自分たちが滅びるに値する、ということを悟らせ、神の律法の正しさ、神の統治の正当性を明らかにされたのでした。サタンも同様でした。
この時の最後の戦いがハルマゲドンの最終的な終わりを意味します。
私がこれを書いた目的は、聖書全巻に貫く善と悪の大争闘に私たちが巻き込まれていること、サタンは間もなく日曜休業令を発布させ、神の民を迫害し、
七つの災いの終わりの方では、彼らの苦しさの中で神の民に対する死の宣告がなされることになっています。しかし上記にも書きましたように、神の介入があります。最後まで忍耐する人は、神が必ず守られます。
これから始まる「小さな悩みの時」、「大きな悩みの時」という二つの試練を乗り越えなければなりません。また証しをしなければならない場面に遭遇するかも知れませんので、それに備えるため、ハルマゲドンの正しい知識が必要と備えとして書きました。不足のところもあるかと思いましたが、日本人向けにまとめました。わからないところはご遠慮なくお尋ねください。
一人でも多くの魂が最後まで諦めずに神と共に歩みますように。
アーメン!!
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