黙示録13章には、世界の二つの権力が描かれています。
ここでは詳しい研究はできませんが、概要のみ考察できると思います。
▪️黙示録13:1-11はローマ教皇の預言について書かれています。
1 わたしはまた、一匹の獣が海から上って来るのを見た。それには角が十本、頭が七つあり、それらの角には十の冠があって、頭には神を汚す名がついていた。
2 わたしの見たこの獣はひょうに似ており、その足はくまの足のようで、その口はししの口のようであった。龍は自分の力と位と大いなる権威とを、この獣に与えた。
3 その頭の一つが、死ぬほどの傷を受けたが、その致命的な傷もなおってしまった。そこで、全地の人々は驚きおそれて、その獣に従い、
4 また、龍がその権威を獣に与えたので、人々は龍を拝み、さらに、その獣を拝んで言った、「だれが、この獣に匹敵し得ようか。だれが、これと戦うことができようか」。
5 この獣には、また、大言を吐き汚しごとを語る口が与えられ、四十二か月のあいだ活動する権威が与えられた。
6 そこで、彼は口を開いて神を汚し、神の御名と、その幕屋、すなわち、天に住む者たちとを汚した。
7 そして彼は、聖徒に戦いをいどんでこれに勝つことを許され、さらに、すべての部族、民族、国語、国民を支配する権威を与えられた。
8 地に住む者で、ほふられた小羊のいのちの書に、その名を世の初めからしるされていない者はみな、この獣を拝むであろう。
9 耳のある者は、聞くがよい。
10 とりこになるべき者は、とりこになっていく。つるぎで殺す者は、自らもつるぎで殺されねばならない。ここに、聖徒たちの忍耐と信仰とがある。
⚫️「角が十本、頭が七つ」ある獣はローマ教皇のことです。
聖書の預言で獣は国や世界の権力を象徴していることを覚えてください。
*ダニエル7:17
『この四つの大きな獣は、地に起らんとする四人の王である。
*ダニエル7:23
「ついに日の老いたる者がきて、いと高き者の聖徒のために審判をおこなった。そしてその時がきて、この聖徒たちは国を受けた。」
⚫️黙示録13:5について。
歴史的に鑑みて、ローマ教皇はフランス革命で、ナポレオンの部下により投獄されました。
ピウス6世は、黙示録13:5に書かれている通り、教皇権が42ヶ月の終わりに世界の影響力と権力を失うと預言しています。この預言は、ナポレオンのベルティエ将軍が教皇を捕虜にし、教皇の権力が致命的な傷を負ったとき、1798年に成就しました。
⚫️証しのふみより。(1260日:黙示録11:3)
『ここに、「42か月」と「1260日」という二つの期間があげられているが、これは同じもので、キリストの教会がローマの圧迫を受ける期間をあらわしている。1260年の法王至上権時代は、紀元538年に始まったから、1798年に終わることになる。この時、フランスの軍隊がローマに侵入し、法王を捕虜にした。そして彼はで死んだ。その後、すぐ新法王が選ばれたけれども、法王制度は、もはや以前のような権力をふるうことはできなかった。
教会の迫害は、1260年の全期間を通じて続いたわけではなかった。神は、神の民を憐れんで、火のような試練の期間を短縮された。救い主は、教会にふりかかる「大きな患難」を預言して言われた。「もしその期間が縮められないなら、救われる者はひとりもないであろう。しかし、選民のためには、その期間が縮められるであろう」(マタイ24章22節)。迫害は、宗教改革の影響を受けて、1798年より前に終わったのである。』
⚫️42ヶ月も1260日も3年半です。
*ダニエル7:25
「彼は、いと高き者に敵して言葉を出し、かつ、いと高き者の聖徒を悩ます。彼はまた時と律法とを変えようと望む。聖徒はひと時と、ふた時と、半時の間、彼の手にわたされる。」
預言の「時」:
一時 1年
二時 2年
半時 1/2年(半年)
⚫️ 「わたしはまた、ほかの獣が地から上って来るのを見た。それには小羊のような角が二つあって、龍のように物を言った。」黙示録13:11
ほかの獣
つまり、教皇権が傷を負っている間に、登場する獣のことです。
10節で言及されているローマ教皇が捕えられたのは1798年に起こったことであり、新しい力(11節)はその時に出現したと見られています。アメリカは1776年に独立を宣言し、1787年に憲法を議決し、1791年に権利章典を採択し、1798年には明らかに世界の大国として認められていました。このタイミングは明らかにアメリカに合っています。他のどんな大国も、その資格を得ることはできませんでした。
⚫️地から上ってくる、という意味はどんな意味があるのでしょうか。11節
この国は、ダニエル書やヨハネの黙示録に登場する他の国のように水の中からではなく、「地から」生まれています。ヨハネの黙示録によれば、水は世界の人口の多い地域を象徴しています。『御使はまた、わたしに言った、「あなたの見た水、すなわち、淫婦のすわっている所は、あらゆる民族、群衆、国民、国語である』(黙示録17:15)。したがって、地はその逆の意味があります。つまり、この新しい国は、1700年代後半まではほとんど人が住んでいなかった地域に生まれるということを意味しています。旧世界の混雑し、苦闘している国々の中で生まれることはあり得ませんでした。人口の少ない大陸で生まれなければならなりませんでした。
⚫️小羊のような角が二つあって、とはどんな意味でしょうか。11節
角は王や王国、政府を表しています(ダニエル7:24; 8:21)。この場合、角は米国の2つの統治原則、すなわち市民的自由と宗教的自由を表しています。この2つの原則は、「共和主義」(王のいない政府)、「プロテスタンティズム」(法王のいない教会)とも呼ばれているのです。古代から他の国々は、国教を支えるために国民に税金を課していた。また、そのほとんどが宗教的反体制派を弾圧していた。しかし米国は、政府の干渉を受けずに礼拝する自由という、まったく新しいものを確立したのでした。王冠がないのは、君主制ではなく共和制を意味します。子羊のような角は、無邪気で、若く、抑圧的でなく、平和を愛し、霊的な国家を示します。(イエスは黙示録で28回も子羊と呼ばれている)。
特記:イエスのアメリカについての描写をここで止めることができたらどんなに良かったでしょうか。しかし、イエスは止めることができませんでした。米国は、良心、報道、言論、企業の自由、機会、フェアプレーの感覚、弱者への同情、キリスト教的志向を備えた偉大な国でありました。完璧ではありませんが、それでも毎年、世界中から多くの人々がこの国の国民になろうとしています。しかし残念なことに、この豊かで恵まれた国は大きく変わってしまいました。
⚫️龍のように物を言った。とはどのように言うのでしょうか。11節
竜とはサタンのことであり、サタンは地上の様々な力を通して自分の王国を築き、神の民を迫害し滅ぼすことによって神の教会をつぶそうと働いています。サタンの狙いは常に、神の王座を簒奪し、人々に自分を礼拝させ、従わせることです。(ですから、竜のように語るということは、終末の時代に、(サタンの影響下にある)アメリカが、良心に反する礼拝を人々に強要するか、罰を受けるかを意味するのです。
⚫️龍のように物を言うとは、具体的にはどんなことをするのでしょうか。11節
四つポイントがあります。
(1) 「そして、先の獣の持つすべての権力をその前で働かせた。また、地と地に住む人々に、致命的な傷がいやされた先の獣を拝ませた。」(黙示録13:12 前半)
米国は、黙示録第13章の前半に描かれている教皇ローマがしたように、人々に良心に反することを強制する迫害力になります。
(2) 「そして、先の獣の持つすべての権力をその前で働かせた。また、地と地に住む人々に、致命的な傷がいやされた先の獣を拝ませた。」(黙示録13:12 後半)
米国は、教皇の反キリストへの忠誠を強制するために、世界の国々をリードします。問題は常に崇拝です。誰を崇拝し、従いますか? それはキリスト、あなたの創造主であり贖い主ですか、それとも反キリストですか? 地球上のすべての魂は、最終的にどちらか一方を崇拝します。サタンのアプローチは深く霊的であるように見え、信じられないほどの奇跡が見られます(黙示録13:13、14)-それは数十億人を欺くでしょう(黙示録13:3)。この運動への参加を拒否する人々は、分裂的で、頑固で、急進的で、愛国的ではないと見なされます。イエスは、終末のプロテスタントアメリカを「偽預言者」(黙示録19:20; 20:10)とラベル付けしました。
*黙示録13:13、14
また、大いなるしるしを行って、人々の前で火を天から地に降らせることさえした。さらに、先の獣の前で行うのを許されたしるしで、地に住む人々を惑わし、かつ、つるぎの傷を受けてもなお生きている先の獣の像を造ることを、地に住む人々に命じた。
なぜなら、偽預言者は、霊的で信頼できるように見えますが、その代わりに悪魔的な行いをするからです。このようなことはあり得ないと思われるかもしれないが、イエスの言葉は常に信頼でき、真実です(テトス1:2)。イエスは、そのような預言が奇妙で信じがたいと思われた時代に、4つの世界帝国と反キリストの興亡を預言されました(ダニエル書2章と7章)。しかし、すべては預言されたとおりになったのです。預言について、今日の私たちへの警告は、「今わたしは、そのことが起らない先にあなたがたに語った。それは、事が起った時にあなたがたが信じるためである。」(ヨハネ14:29)。
(3)「先の獣の像を造ることを、地に住む人々に命じた。」(黙示録13:14)
米国は、宗教的実践を法制化することで、獣の像を作ります。礼拝を義務付ける法律を制定し、人々にそれに従うか、死に直面するかを強制するのです。この行為は、ローマ教皇庁が権力の絶頂期であった中世に、信仰のために何百万人もの人々が殺された教会国家を模倣したものです。米国は、ローマ教皇庁を支える「結婚」において、市民政府と背教のプロテスタンティズムを結合させるでしょう。そして、ローマ法王庁に倣うよう、世界中の国々に影響を与えるでしょう。こうして、ローマ法王庁は世界的な支持を得ることになります。
前回書きましたプロジェクト2025がまさしくこの結婚証書、獣の像になると考えられます。国家権力と宗教権力の結合により、礼拝を義務付ける法制度を確立し施行します。
トランプ大統領が作ったものではないと言われていましたが、おそらくサインをせざるを得ない状況になるか、自ら同意されるかであろうと推察しています(これは私の個人的予見ですので悪しからず)。
(4)「その獣の像を拝まない者をみな殺させた。」(黙示録13:15)
この国際運動の指導者である米国は、次に世界の国々に影響を与えて、獣やその像を崇拝することを拒否するすべての人に死刑を宣告させます。この世界的連合の別名は「大いなるバビロン」です。 この世界的連合は、キリストの名において、警察官の力を聖霊の優しい説得に代え、崇拝を強制します。
この続きは次回に。
アーメン!!
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